冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心

6月下旬。
本格的に梅雨に入り、曇天続きに中休み的な晴れた日。

「まどか、最近真島さんに目付けられてない?」
「……そんなことないよ」
「そう?今日の体育の時もそうだけど、なんかやみくもに突っかかって来てる感じするんだよね」
「……気のせいじゃない?」

和香が見ててもそう思うのか。
確かにこのところ、エスカレートするように真島さんからのアプローチが激しくなったように思う。
まぁ、大体の察しはつくけれど。

今月初めにあった制服検査で私がずばり彼女を注意したからだ。
違反した彼女が悪いんだけれど、他の生徒もいる前で容赦なく注意したのが原因だろう。

これまでも、逆恨み的な攻撃を喰らったのは一度や二度じゃない。
小学生の頃からクラス委員を率先してやって来て、それなりに反感を買うこともしばしば。
けれど、間違ったことをしているわけではないから、私は常に堂々と胸を張っている。

靴を隠されたり、机に落書きされることもしょっちゅう。
言いたい人には言わせておけばいい。

心配そうに見つめる和香に、にこっと笑顔で応えてみせる。

「委員長~、岡部先生(担任)が職員室に来いだって~」
「あ、は~い。和香、ごめん。ちょっと行って来る」
「ん~、いってら~」

クラスメイトの男子に呼ばれ、職員室へと向かった。



放課後。
担任に頼まれた席替え用のくじを作り終わり、帰る支度をしていると。

「小森さん、ちょっといいかな」
「………ん」

いつも真島さんと一緒にいる女子2人が声を掛けて来た。

< 18 / 132 >

この作品をシェア

pagetop