運命の恋を、君と…
引っ越し
「━━━━んん…」

俊英に抱かれ、そのまま眠ってしまった蓮花。
目を覚ますと、俊英が見つめていた。

「おはよ」
「お、おはよう…/////」

イケメン俊英。
整った顔が目の前にあり、更に腕枕され抱き締められている。
おまけに額や瞼、鼻先にキスが降ってくる。

キス一つ一つに、愛情が感じられた。

(俊英って、こんな甘かったっけ?/////
まぁ、別れてから………14…年!?
そんな経ってたら、変わるか!)

蓮花は、顔を真っ赤にしながらドキドキしていた。


「蓮花」
「ん?」

「身体、辛くない?」
「うん。平気」

「………ってことは、辛いんだな」

「え?」

「我慢すんなっつったじゃん!」

「え?え?ほんとに、平気だよ!」

「蓮花が“平気”って言う時は、辛い時なの!!
何?痛い?
俺的には、ちゃんとほぐしたつもりだったけど、ほぐれてなかったっつうことだよな」

「…………痛くはない」

「ん。
じゃあ、何?」

「ぐったりしてる」

「マジ!?
俺、激しすぎた?」

「うん…(笑)」

「わりぃ…止まんなかった……」

「でも、嫌じゃなかったよ」
項垂れる俊英の頭を撫でる、蓮花。

「ほんと?」
捨て犬のような俊英の瞳。

(わ…可愛い…/////)
「うん!
なんかね…/////」
微笑み、俊英を見上げる。

「ん?」

「愛されてる感じがして…/////」

「………//////」

「………って、退いた!?
ご、ごめん!
と、とにかく━━━━━んんっ!?」
蓮花の口を塞ぐようにキスをする。

「………」
口唇を離した俊英。
蓮花の額に額をくっつけた。

「俊英?」

「好きだよ」

「うん/////」


俊英は思う。

やっぱ俺、蓮花のこと好きだ━━━━と。

昨日は、蓮花があまりにも不憫だなって思った。
20代のほとんどを、介護と仕事に費やしてきた蓮花が。

だって、20代だぞ?
20代って、結構重要じゃね?

だから、元彼のよしみで付き合ってあげよってな気持ちだった。

でも……不意に見上げる真っ直ぐな目とか、ぷるんとした口唇とか、ふわりと笑う笑顔とか、変わらない真面目な性格とか、心地よい雰囲気とか………

大好きだったあの頃が蘇って、心があっという間に奪われた。



「蓮花、一緒に風呂入ろ?」
「え?い、一緒に!?」

「うん。
身体、洗ってやるからさ」

「……………
……はい?」
< 7 / 61 >

この作品をシェア

pagetop