【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「いいんだよ。あいつ、頑固者だから、『どうしてもそれを飲ませたいなら、わしを倒してみろ!』なんて言って……」
あれ? やっぱり、そうだよね。変だ。
「ねえ、ヴァンってモンスターの言葉が分かるの?」
変だと思ったことを、ズバリ指摘してみる。
だって、モンスターはわたしたち人間の言葉を話さない。
だからサラマンダーに何か言われても、分かるわけがないのだ。
「あ~……、職業柄分かるんだよ。だから、おまえも早くマオに職業鑑定してもらえ」
「えっ、マオに?」
マオ、職業鑑定士だったんだ。もしかして、これが裏ワザ?
「とりあえず、いったんマオのところに戻るか」
よかった、とりあえずはまだテストの結果は保留みたい。
「それでロクな職業じゃなかったら、おまえ失格だからな」
なんですと!?
「ヴァン~、お願い、見捨てないでよおおお!」
わたしの声はむなしくダンジョンに響きわたった。