バイバイ、リトルガール ーわたし叔父を愛していますー
ふたりはあっという間にかき氷を食べ終えた。

「美味しかった。クセになりそうだ。」

「じゃあ、また来ましょうね。」

「それはまたデートしてくれるってことかな?」

「もちろんです。」

レジで料金を払い店を出ると、ふたりは再び地蔵通り商店街を歩いた。

すみれはさりげなく迫田の左手を、自分の右手で握りしめた。

迫田の手は大きくて温かかった。

驚いた迫田がすみれの顔を覗き込んだ。

「すみれさんって見かけによらず大胆なんだな。」

「私、こうやって好きな人と手繋ぎデートするのが夢だったんです。」

「それって前に言ってた叔父さんのこと?」

すみれは黙ったまま、さらに迫田の左手を強く握りしめた。

「いや・・・答えなくてもいいよ。」

そうつぶやいた迫田も、ぎゅっとすみれの手を強く握り返した。

沈みかけたオレンジ色の夕日が、ふたりの顔を照らしていた。
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