臆病な私の愛し方
「もう。私もアツシさんのちからになりたいんですっ」

 しかしアツシさんは顔を曇らせて空笑い。

「…いい子だから、なっちゃん…」

 私はそのうち気が付いた。
 アツシさんは私に期待はしていない。
 アツシさんにとって私は、妹同然でしかない。そして、それを世話する自分自身のことが好きだったんだと…

 私はそれでも良かった。
 私を少しでも好きでいてくれるなら、いつかアツシさんの助けになれることをしようと。

 しかし両親のこともだいぶ整理がついた頃、とうとう“その時”がやってきた。


 大学からの帰り、アツシさんからの突然の連絡。

『…なっちゃん、大事な話があるんだ。良いかな…?』

 最近は時間が合わず、アツシさんと会える時間はなかった。
 私は喜び、二つ返事で約束をする。

「はい、もちろんです!」

 …私は会える嬉しさで、何を言われるのかも考えずに…


 私の家から近い主要駅の前で待ち合わせた私とアツシさん。

 しかし久しぶりに会ったアツシさんは笑ってはくれない。

「…アツシさん、最近忙しかったんですね」

 私がそう言うと、ようやくアツシさんは顔を上げ口を開いた。

「…なっちゃん、今日はお別れを言いに来たんだ。もう、良いだろ…?」

「え…??」

 一瞬、アツシさんが何を言っているのか分からなかった。
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