御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?
え・・・・・・、
今、なに、もしかして・・・・・・お姫様抱っこされてる・・・・・・?
今にも閉じそうな重たい瞼を開けると、すぐ目の前に整った横顔が。
まともに機能していない頭でなんとか状況を理解した。
何も抵抗することなくされるがまま、あっという間にベッドへ下ろされた。
布団まで丁寧に掛けてくれる。
「・・・・・・先生呼んでくるから」
そう言って立ち去ろうとした氷上くんの腕を、私は無意識に掴んでいた。