攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第4話

 養父のカーネル・オルコットとの出会いは、グレンジャーにとって僥倖以外の何物でもない。

 孤児院の年長の少年達から苛めを受けていた現場をカーネルが押さえて。
 あのままあそこに居たら、俺はどうなっていただろう。
 寝室の、今まで眠ったことがない柔らかなベッドに横たわり、眠りに落ちる前、グレンジャーはよく考える。


 カーネルとの養子縁組の決め手になった瞳の色は、段々と赤味が増えてきて『気味が悪い』と、それだけで苛められる理由になった。
 理不尽に殴られたり、罵られたり。
 そんなことが増えてきて、いつか自分は爆発してしまう、それだけは確かに感じていたのだ。
 爆発は時間の問題だ、と。


 まだ8歳になったばかりのグレンジャーだったが、他人のお世話になることには慣れていた。
 邪魔にされることなく、嫌がられず、鬱陶しがられず。

 それは、きちんと自分から挨拶をし、質問されたらきびきび答え。
 何かを言い付けられたら『どうして?』なんて、聞いたりせずに、それを守ること。


 だからグレンジャーは頑張った。
 いい加減、シガレットケース撃ちには飽きてきていたが、養父がしろ、と言うのなら、するしかないのだ。
 そうでなければ、また孤児院に逆戻り。
 それだけは勘弁して欲しかった。


 量が多くて温かい食べ物。
 肌に優しい服。
 風呂には毎日入れて。
 柔らかいベッド。
 それらをもう手放せない。


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