攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

第13話

 高等部2年生の最終日。
 3年生に進級する前の夏休みが明日から、の放課後。
 

 グレンジャーはミシェルから普通科校舎の空き教室に、呼び出された。
 彼は夏休みにフィリッパ・ギャレットとの合同研究を完成させて、来週に迫った『魔法省夏休み学生シンポジウム』出席のため、彼女との最終打ち合わせを魔法棟図書室ですることになっていた。


 気持ちが急いていたので、ミシェル本人からの呼び出しなら断ろうと思っていたが。
 彼を呼びに来たのは、何故か魔法科の隣のクラスのローマンだった。
 

「えっ、ローマンもフライ嬢の友達だったの?」

「友達、とまではいかないかな……
 中庭で、噴水の側で濡れてたから乾かしてあげたら、お友達にされた」


 校舎の裏で、だったり。
 噴水の側で、だったり。
 自分に水難の気があることを、ミシェル本人も気付かなきゃ、な。



「俺、用事あるんだよなー。
 けどさ、来られるよりマシかもな?」

「俺達だけじゃないみたいだし、早く終わるように持っていこうぜ」


 ローマンもそう言うのは、ミシェルのことを面倒くさい、と思ってるんだよな。
 もう彼女なんだから、ウェズリーも責任を持って見とけよ。
 
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