攻略対象者に転生しましたが推しの親友枠におさまったので、彼の初恋を見守ることにします!

最終話

「オスカー……お前ってしゃべるタイプなんだ」

「だって俺、元編集者よ?
 落ち込んだり逃げ出そうとする作家や漫画家をなだめすかして、その気にさせて、原稿受け取って、なんぼな訳。
 口下手じゃやってられない職業だからね?」

「……いつから記憶戻った?」

「12かなぁ、それからオスカーやらせて貰ってます」

「静かなる貴公子オスカーは擬態かよ……
 穂波さん的には、ヒーローがそんなおしゃべりでいい、って?」

「今まで無理させてごめんね、って言われたよ。
 それで、これからの展望も話したんだ」

「展望……」

「チカ先生が漫画の神様になる野望を持っていてさ、俺も面白いと思うんだ。
 ロージーにはコミカライズだけじゃなくて、イケメンだらけの2.5次元ミュージカルの話もした。
 あれは夢が拡がるよな、推しのうちわとかさ。
 ペンラ、魔法で何とかなる?」


 まさか推し本人からうちわの話を聞き、ペンライトの相談をされるとは思わなかったグレンジャーだ。
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