【電書&コミカライズ】推しとは結婚できません!〜最強魔術師様の結婚相手がわたしだなんて、めちゃくちゃ解釈違いです!〜
【3章】推しとは結婚できません!〜皇女ヴィヴィアンは真実を知る〜

20.追い詰められた皇女ヴィヴィアンはひらめいた

(どうしよう……)


 ダラリとソファにもたれつつ、わたしは深々とため息をつく。

 エレン様と約束をしてしまった。彼との結婚について本気で考えるって言ってしまった。発言は撤回できない。進退きわまった、という状況だ。


(でもさ、本当は既に考えてるんだよ。本気出して考えてるんだよ。そのうえでエレン様にはわたしは似合わないって思ってるのに……)


 だけど、ノーって言える雰囲気じゃなかったんだもん。わかりましたって言うしかないじゃない? だって、相手はエレン様だし。まあ、答えた以上、あとから後悔しちゃいけないんだけど。


「ヴィヴィアン様、エレン様と一体どんなお話をなさったのですか?」


 ヨハナが興奮を押し隠したような面持ちで尋ねてくる。


「……内緒」


 申し訳ないけど答えたくない。わたしはそっと視線をそらした。

 馬車のなかでも、ヨハナはわたしたちの話を聞きたがった。わたしの推し事をずっと側で見守り、全力でサポートをしてくれているんだもん。気になるのはわかる。わたしだって大抵のことは教えてあげるんだけど、今回は無理だった。

 だって、エレン様に可愛いって言われたこととか、結婚について考えてほしいって言われたこととか、抱きしめられたこととか――――自分のなかで消化できていないんだもん。他人に打ち明けることなんてできない。言葉にすることで、それらが揺るぎない現実になってしまう感じがするし、やっぱり無理だ。


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