モノクロの世界で、君が手を差しのべてくれたから

第六章 些細な失敗

「何言ってるの? そんなことあるわけないでしょ。どう見たって私は――」

「メロン味は紗英ちゃんだって。萌ちゃんはメロンが嫌いだって言ってたんだよ、前に雄輝と三人でいたときに。わざわざ、嫌いな味なんて頼まないだろ。それに、去年のこの夏祭りで、紗英ちゃんはメロン味を絶賛してたのを覚えてる」

「…………」

 私は何してるんだろう。食の好みを間違えるなんて。
 そもそも、萌がメロンが嫌いだなんて知らなかった。家では食べてたから。

 本当は嫌いだったんだね……。

 それに、私は油断していた。メロン味だけは言っちゃいけなかった。確かに言われてみれば……去年のこの祭りで私が絶賛していた。

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