れんれんと恋するための30日
福はスウェット姿の自分が恥ずかしくなり、蓮を睨んだ。
「そんなこと突然言われても、何も準備できてないし」
「じゃ、やめる?」
福は頬を膨らましたままだ。
「…30分後にまた迎えにきて」
「了解」
蓮は福のママにお辞儀をして、手を振って出て行った。
福は急いで出掛ける準備をした。
福がここへやって来てから制服以外の服をほとんど着たことがない。
幸の部屋にあるクローゼットを覗いて見ると、幸はあまり可愛い洋服を持っていなかった。
そんな中で、福は、白のボレロ風のブラウスを見つけた。
でも、このブラウスに合うボトムスが見つからない。
そこで福は中途半端な丈のデニムを、股下当たりでバッサリと切った。
切ったためにほつれて出たデニムの糸をもっとグシャグシャにして出す。
福は、リロキッチンに来る同じ年代の女の子のファッションをよく見ていた。
こういうデニムの短いパンツをはいている女の子がたくさんいた事を思い出す。
そして、そのパンツをはいてみると、思ったより福に似合っていた。