れんれんと恋するための30日
福にとっての最高の一日は、もう終わりを告げようとしていた。
観覧車から降りてきた時、透子の目は涙で潤んでいた。
それを見た福は一瞬心配したけれど、でも、嫌な予感はすぐに消えてなくなった。
福を見つけた透子は、晴れやかな顔でを笑っていた。
もう、透子の事は心配ない。
変わり者の道と想いが通じ合えたのだから…
「ミッチー、透子さん、今日は幸のわがままにつき合ってくれて本当にありがとう」
福は心からこの二人に感謝した。
「幸、そんな最後の挨拶のようなこと言わなくていいよ。
今起こってる幸の中の変化は、これからの幸の人生のステップになるって、僕は信じてる。
今、幸を導いている何かは、いつか必ず幸のものになる」