生徒会長と秘密の関係

冗談じゃないことと冗談



○伊丹の教室


伊丹「どうしたん?ミナちゃん」


廊下側の窓に肘をついて伊丹を探していたら、向こうから寄ってきた。

髪をふわふわさせながら小走りで。


伊丹は子犬系男子。

可愛らしい美少年だ。

同い年のミナですら"子犬だ“と思う時が多々ある。


そんな彼を周りの女子は放っておかなかったが、家が貧乏という噂が出回ると逆に人が近寄らなくなった。



ミナ「生徒会長にバレた」  

伊丹「あれま」

目を見開く伊丹。


ミナ「あんたのバイトもバレてたよ」

伊丹「マジ…か。」

さらに深刻な表情へと。



ミナ「ねぇ、一緒にどっか逃げる?」

そんな伊丹の姿を見てふざけて言ったミナの一言を本気にする伊丹。


ミナ「んじゃ、伊丹も気をつけなね」 

伊丹「え〜、俺も連れてってや〜」


そのまま、教室に寄って荷物を持ちミナは学校から出た。


ロッカーにはもう必要ないと、判断された教科書が置きっぱなしになっていた。

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