生徒会長と秘密の関係

アルバイト


○昨日の夜。


全ての部屋の電気が消えてミナがここから消えても、誰も気付きやしない時が来た。


いつも行くコンビニは同級生の伊丹(いたみ)がバイトしている。



伊丹は関西から引っ越してまで、結木學園に入学した。

それは両親が大層望んだからだ。




しかし、それほど裕福ではなかった伊丹家は徐々に崩れていった。

今では、伊丹は年齢を偽り深夜までコンビニでバイトをしている。



バイトしていることを学校に言わない見返りでミナはアルコールを販売してもらっている。


伊丹「165円です」

音瀬「ん」

伊丹「ありがとうございました」



お酒だけ受け取り、外のベンチへ。


果実チューハイ缶。

見た目や味で選んだこのお酒。


このアルコールを飲めば自分は自分になり、繕ったものが途端に剥がれ落ちる。

伊丹が店内から窓越しに見てる中で、ミナはいつもひとりそこで泣く。
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