クールな冬野くんと聖なる夜にナイショのおしごと
――絶対にバレちゃいけない秘密。


それを…わたしが知ってしまった……?


冬野くんはゆっくりと歩み寄ると、わたしを壁際に追い詰める。


なんだか…雰囲気が変わったような。


「わ…わたし、プリントを渡しにきただけだから…!それじゃあ――」


と言って逃げようとしたわたしの手首を冬野くんががっちりと捕まえる。


「秘密を知られたんだ。このまま黙って帰すわけないでしょ?」


ニヤリと口角を上げる冬野くん。

その瞳の中には、ごくりとつばを呑み、緊張な面持ちのわたしが映っていた。
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