Kahlua Milk 〜Hiding Gray 君の瞳に隠されて〜

☆君との距離

松嶋を辞めてから、プライベートで会うのはこの日が初めて

純粋に初日の出見たいと思った私は、手当たり次第に一緒に行ってくれそうな人に連絡した

その中でユウだけがすぐに返してくれて、行こうと言ってくれた

というか、元々一人でも行くつもりだったと…



そしてユウは、いつも私をびっくりさせる


12月31日、年に1度の号令である家族旅行を終え、そろそろ帰る頃にユウにメッセージを送る

「今から帰るけど、どうするー?」

「いまどこ?
俺ヒッチハイクでそっち行くから、待ってて
そこから2人でヒッチハイクで行こうぜ」

…?!

は?!
ヒッチハイク?!
マジで言ってんの?!
ていうか私今箱根だよ?

びっくりして、聞き返したけど、ユウは論理的な文章を送ってきた
お金はかからないし、色んな人に会える、冒険が楽しい
時間はあるけど、お金がない学生には最適…

正論…だけど

箱根にいることも伝えるとユウは当たり前のように
「箱根了解。1時間くらいかな。」
と近場の渋谷や新宿みたいなテンションで返してきた

えぇ…



ユウは、変わった
でも、色んな意味で変わった

驚かされまくりだけど、誰も考えないような思考、行動力
そんなユウとの時間にワクワクしている自分がいる

凍らせていた心は一瞬で溶けて、熱くなっていく


きっとどんなことがあっても、私のユウへの恋心はなくならないんだ


それから私たちの旅が始まった
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