私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「…………実際、俺達が見ている視野よりも狭い視野を想像してるはず
 自分とは対して差はないと思ってると思う
 だから………頑張るんじゃないかな
 そんなに変わらないのに休む訳にはいかない
 自分はみんなよりも少しだけ視野が狭いだけなんだから
 ………………きっとそう思ってる」

「………………どうしてそんなことが……分かるんだよ………」

「…………前にもいたんだ
 香音と似たような見え方の子が
 その子がそう言ってた」

「………………そっか」

「………お前はどっちが幸せだと思う?
 普通を知らないで生活するのと…………普通を知って……急に奪われるのと」

「………………どっちも辛いだろ………
 でも俺は…………普通を知らない方が………幸せだと思う………
 ………今まで出来たことが出来なくなるのは………辛すぎる」

「………そっか
 それも一つの考えだな」

「奏斗はどっちなんだ?」

「……………俺は分からない
 ずっと考えてるけど…………未だに答えは出ない
 色々な子達を見て………分からなくなる」

「…………そっか」

「でもな、俺は今が幸せならいいかなって
 最近、そう思ってる
 過去に何があったとしても…………今を幸せに生きれるなら」

「……………そうだな」

「ってことで!
 雄斗は香音を幸せにすること!
 香音………お前といる時が一番幸せそうだよ」





< 184 / 529 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop