私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「いいよ
 俺のこと嫌いでも
 また香音が好きになってくれるのを待ってるから」

「…………………………」

「………今日…学校行く?
 全然休んで良いよ?」

「……………行く………」

「ん、じゃあもう少し寝てな
 まだちょっと時間あるから」

「……………………」

「リビングにいるから
 何かあったらいつでも来て?」

香音の頭を撫でてから寝室を後にした


























プルルルル………



「もしもし?」

「あっ、奏斗?
 今大丈夫か?」

「あぁ………お前こそ大丈夫なのか?」

「うん
 香音寝室にいるから」

「………一人で?」

「あぁ
 一人になりたそうだったし
 まっ、刃物は全部鍵付きの棚に入れたけどな」

「おー
 しっかりしてるな」

「だろ?
 香音、傷つけさせないよ」

「そっか
 んで、お前怪我は大丈夫なのか?
 香音運んでたけど」

「おう
 痛み止めの点滴してもらっから今は大丈夫!」

「今は?」

「切れたら痛くなるって」

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