不埒な上司と一夜で恋は生まれません
帰り際、和香がまだ腕を回しながら呟く。
「いや~、最初の一撃を食らったとき、新たな刺客が現れたのかと思いましたよ~」
過去、刺客に狙われたことがあるのか……?
「でも、拷問の訓練を受けたことがあるので、大丈夫です」
と和香は笑顔で言ってくれるが。
「申し訳ない」
とあの母の息子として謝った。
「いえいえー。
ほんとうに肩、軽くなりましたよ~」
「それは母の無茶なマッサージから解放されて、軽くなっただけでは……」
和香はまだ肩を回しながら、うーん、と首をかしげて言う。