どんな恋でも繋いでみせます!

手にした小説をペラペラと捲りながら、千崎くんと紗良をチラリと盗み見る。

「この問題ってこれで合ってる?」と千崎くんが聞いて、「あーちょっと違う、これはね……」と紗良が肩をくっつけ合い教えている。

その真ん中で倫太郎くんが「俺にわかるように説明して!」と頭を抱えて、「ごめんごめん」と2人で顔を見合わせ笑っている。


すぐに目を逸らし、綴られた文章に視線を落とす。

最近2人はいい感じだ。

そう思っているのは私だけではないみたいで、この前クラスメイトに「2人ってもしかして付き合ってるの?」と聞かれた。

いつもならしめしめと笑うところなのに、わからないと曖昧に返事をして逃げてしまった。


相変わらず、私は千崎くんに片思いしているし、この恋心を一欠片も捨てられてはいない。

少しずつ変わっていくのは2人の距離間で、変わらないものは毎週月曜の私と千崎くんの2人だけの時間と、私の思いだけだ。

恋のお楽しみ会があるせいで、私はこの恋心を捨てられないのか、それとも捨てる気がないのか、もうもはや考えたくもない。

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