どんな恋でも繋いでみせます！

ミッション5：捨てる

倫太郎くんに色々バレたその後、どうやって家に帰ったのかはあまりハッキリとは覚えていない。

気づくと玄関前で、茫然自失している自分が、玄関前の鏡に映っていた。

酷い顔だ。

泣き腫らした顔は、3日徹夜した顔よりも下手したら酷いのかもしれない。


まだお母さんは仕事から帰ってきていないようで、家はどこもかしこも真っ暗だった。

廊下、洗面所、リビングと電気を点けながら移動した。

冷たい水で顔をバシャバシャと洗い、リュックに入れた綺麗に空になっている弁当箱を水につけてシンクに放置する。

お気に入りのワンピースはネットに入れて洗濯機を回した後に、流れるようにシャワーを浴びた。

冷水を頭から被りながら、懺悔するように壁に手をつけ項垂れる。


やってしまった……。


私が千崎くんを好きなことが、千崎くんと1番仲のいい倫太郎くんにバレてしまった。

それだけならまだしも、千崎くんが紗良を好きなことも、私が恋のキューピットとして2人を繋げようとしていることも、全てバレてしまったのだ。

倫太郎くんがこんなにも勘が鋭い人だとは思わなかった。

振り返ってみれば、時々勘が鋭いことを質問されていた気がする。