どんな恋でも繋いでみせます!
「身体、大丈夫?」

「……な、んで、千崎くんが?」

「俺が運んだんだ」



……運んだ?


そうだ、朦朧とする意識の中で、誰かが私を背負って運んでくれていたのを思い出す。


でも、あれは倫太郎くんじゃなかったっけ?


その時、背負われていた時の記憶が蘇ってくる。

倫太郎くんだと思って、熱に侵されつい口走ってしまった言葉たちを。

思わず口を手で覆い、驚きの声が出ないように無理やり押し込んだ。



「填本に、話さなくちゃいけないことがあるんだ」



てっきり自分が言った言葉たちを追求されると思っていたが、千崎くんはどうでもいいのか違う話を始めようとする。

もしかして、あの言葉が告白だとは思わなかったのかな?それなら、私には好都合だけど……。


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