どんな恋でも繋いでみせます!

隠れ恋のキューピット




グラウンドから聞こえた、試合終了の合図なのかホイッスル音が長く伸びていた。

その音が消えたと同時に、保健室の扉が開き、養護教諭が顔を出す。

養護教諭は私が起きたことに安堵し、すぐに体温計で体温を確認したあと、「担任の先生が親御さんに連絡してくれて、15時頃には迎えに来ると言っていたからもうそろそろ来るかも」と教えられる。

「結果発表もあるからそろそろ戻りなさい」と養護教諭に促され、千崎くんは「夜、連絡する」と言い残して体育館に戻って行った。


その数分後にお母さんが現れ、保健室よりもホッとするお母さんの車の中でやっと心が落ち着く。

流れる景色を車窓から眺めていると、スマホの通知音が鳴る。


視線を移し、画面に表示されるメッセージを確認すると、珍しくクラスのグループからメッセージが来ていた。

すぐに確認すると、世莉が動画を1つだけ送っていた。

再生ボタンを押すと、教室を背景にクラスメイトがポーズをキメている。

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