「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
【クストディオ・トルタハーダ視点】

彼女の得意料理を知っているからこそ……

 夕食づくりのことで、カヨにまたいう必要のないことを言ってしまった。

 夕食をだれが作るかで、よりにもよって彼女が立候補したのである。

 おれは、彼女が家事の中で唯一まともなのが料理だと知っている。だからこそ、彼女に恥をかかせたくなかったのだ。

 得意料理が茹で卵だなどと、自慢出来ることか?

 まあ、たしかに彼女くらいの年齢の貴族令嬢のほとんどが卵を茹でることすら知らない。それどころか、茹でた卵の殻をまともにむくことすら難しいだろう。それに比べれば、彼女は卵の黄身がトロットロの状態であろうとカチッカチの状態であろうと完璧に作ることが出来る。それはそれですごいことなのだろう。

 しかし、料理が完璧にこなせる人からすると、それはただ「ふう……ん」程度にすぎない。
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