「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
 ブランカもまた、聖女の家系でありながら強欲だから。

 そして、彼女の父親である宰相も同様だ。

 あいつとブランカと宰相にしてみれば、カヨとその父親のセプルベタ侯爵とおれはうざい存在。

 よくぞここまでもったものだ。とっくの昔に皇都から追放されていてもおかしくなかったのに。

 つくづくそう思う。

 いずれにせよ、おれたちは断罪された。

 おれは、追放はされていない。

 しかし、皇宮に居場所をなくしてしまった。

 なにより、もう皇都にいる必要はない。

 なぜなら、カヨがいないから。
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