「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「彼女の物を地下室に運んでいる際、あるものも見つけたんだ。それもいっしょに地下室に置いてある。というか、隠している。それは、いまでも通用するかもしれないし、価値があるかもしれないからだ。クスト、それもおまえが持っていた方がいい。その方が、これからの役に立つ」

 そして、アルマンドは話をそう締めくくった。

 クストディオは、そのあとすぐに地下室へ行った。

 ひとりの方がいいだろうと考え、「ついていきたい」とは言わなかった。というよりかは、言えなかった。

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