「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~

同室、なわけね

 胡散臭さ満載のヘルマンではあるけれど、彼の話をきけばなにかしらの情報を得ることが出来るはず。だから、彼の話をきくことにした。

「わたしは、きみたちの味方だ。だから、安心したまえ」

 彼は、もう十何度目かに念を押した。

 そのことを強調することじたい嘘っぽい。

 そのことは、わたしだけではなくクスとディオも感じている。

 その都度、彼はポーカーフェイスで頷いた。

 彼の話によると、暗殺された国王はじつは密かに跡継ぎを決めていたという。そのことは、王妃と宰相、いま現在国王の代理を務めている摂政しか知らないらしい。摂政は、王弟が就いているという。
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