打ち上げ花火の向こう、とこしえの炎
「夏祭りかぁ。あーあ、また嫌な季節が来たわ。クリスマスやバレンタインの次に嫌かも」

仲のいい友達がぼやく。

「ホントにね」

同意すると、彼女は少しだけムッとして、

「無理して合わせなくていいよ。逸美はダーリンと一緒に行くんでしょ?」

「ううん」

「え、なんで?まさか別れたとか…?」

私は苦笑いで、

「別れてないよ。ただ行かないだけ」

そう答えると、彼女はそれ以上、何も言わなかった。
< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop