甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
昔と同じことをしてちゃ、今後もずっと、同じことが続いてしまう。

それはダメ。

誰も傷ついちゃ、ダメ――!


「待って!二人とも、」


だけど、私が手を伸ばした時。

視界の端で「神代くんが私に銃口を向ける姿」が映る。

そして――


「いくら“元”であろうとも。

吸血鬼は、殲滅する」


バンッ

人間の私に、鉛玉が飛んでくる。当たると、無事ではいられない。

だけど、ものすごいスピードで飛んでくるソレを、咄嗟に交わす身体能力なんて持ってなくて。

私はただ、スローモーションのように……自分の命が終わる時を眺めていた。


「あ、」


そう言えば、唯月くんに言ってなかった。
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