甘噛み吸血鬼は、トドメをささない (短)
「うん――」


その時、一言だけ返事をした唯月くん。その声が、すごく透き通っていて――なぜだか泣きたい気分になった。


「ねぇ唯月くんどうしたの?

なんか、へ、ん⋯⋯」


なんか変だよ――と言おうとした時。

今まで私たちに銃を構えていた神代くんが、少しずつ近寄ってきた。

そして、とんでもない事を言う。


「そいつ、もう意識ないぞ」

「へ⋯⋯?」

「地面みろ」

「地面?なにが⋯⋯、!?」


神代くんに従い、視線を下げる。そこには――唯月くんを中心に、大量の血が広がっていた。


「な、何これ!?」

「聖水を込めた銃に当たったんだ。いくら最強とは言え、無事じゃ済まねぇよ」

「!!」
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