私の弟はヴァンパイア。
「これ、除菌シート。ちょっと失礼するね」


千秋くんにそう言われて、千隼くんが私を抱きしめるのをやめると首筋に冷たい感覚が走る。


赤坂くんに触られたところ、拭いてくれてる……?


場所がわからないのか、全体的にそっと拭いてくれた千秋くん。


「ごめんね、桃乃さん……僕がもう少し早く駆けつけていれば……」

「う、ううん……2人とも、ありがとう……」

「ん、気にすんな」


ポンポンと頭を撫でてくれた千隼くん。


ああ……私、好きだなぁ……。

少し強引だけど、私のことをとても想ってくれてる千秋くんに、

ツンツンしてて怖いけど、ほんとはとてつもなく優しい千隼くん……。


やっと、自覚した。


私、この双子が好きだ……。


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