一途な気持ちは止められない


 『しょうがないか、先に行って待っていよう』



 教科書の整理をしていつものカフェに行くと、藍の他にもメンバーが1人足りない。


「渡邉さんは?」


 彩の友人に聞くと、用事が出来たとかで今日は帰ったそう。


「急用ができたって言ってたからカフェよりよっぽど大事な用事なんじゃないかな」


 そう言うメンバーの1人が一瞬含み笑いをしたのを夏菜子は見逃さなかった。


 嫌な予感がした。

 すぐに藍にLIMEをする。




『渡邉さんと一緒にいる?』




 なかなか返事が返ってこない。

 既読もつかない。




 いてもたっても居られなくなって、夏菜子はカフェを後にした。



 学校に戻って、教室の中に走り込んでいく。



 『居ない……』



 切なくなった夏菜子は藍の席に座り、目を潤ませる。

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