一途な気持ちは止められない

気合と勇気が必要

 おじいちゃんのアドバイス通り、これまで通りの生活に戻すことを決めた二人。


 毎日のキスを欠かさず、カフェに行くのを拒み、図書室で勉強に励むことにした。


 翌日久しぶりに、少し早めに登校した夏菜子。


 そこにはすでに藍が自席に座っていた。


 少しの間見つめ合って、挨拶を交わす。


「おはよう、藍くん」


「おはよう、夏菜子」


 藍は席から立ち上がると夏菜子に近付いて『ちゅっ』と耳にキスをした。




 ―――……ドキドキする……。




 久しぶりの藍からのキス。




「夏菜子……」



 頬への二回目のキス。



 キスからの強めのハグ。



 やっぱり、ちょっと恥ずかしい。

 けど、好きな人と一緒に居られるって、最高に幸せだ。

 嬉しいドキドキと、これから起こるかもしれない何かに対するドキドキが混ざっている。


「三好さん?」


 藍と熱烈なハグをしている最中、予想通り彩から声が掛かった。


「約束したことがあったと思うんだけど?」
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