一途な気持ちは止められない

期待を込めて

 スマホを持つ手が汗で少し滲んでいる。


 彩にLIMEを送ろうと試みているのだ。



『久しぶりのLIMEごめんね、またカフェに行けたらいいなと思って連絡したんだけど……』


 こんな文章で大丈夫だろうか。


 同じクラスメイト、よそよそしすぎるだろうか……。



 図書室の片隅であごに手を当ててう~ん、う~んと悩んでいる夏菜子のところに藍がやってきた。


「何をそんなに悩んでるの?」


「渡邉さんにLIMEを送ろうと思ってるんだけど、どんな文章がいいのか分からなくて……」


 『どれどれ?』と言いながら藍は夏菜子のスマホを覗き込んだ。


「ちょっと貸して」


「え? あ、駄目だよ!」


 夏菜子が拒否する前にその手からスマホを奪い、何やら操作している。




「はい、送信っと」




「えええええ――――!?」




 夏菜子はいったいどんな文章を送られたのかすぐに確認するためにスマホを奪い取った。

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