一途な気持ちは止められない

ヴァンパイアはUMA?

「じゃぁ三好、ここの問題の答えは?」


 英語の授業中、名指しで当てられた夏菜子は答えることが出来なかった。


「ちゃんと勉強するように」

 そう言われても、苦手なものは苦手だ。




「あと樋口。授業中だ。三好と手を繋ぐな」


 そう。この状況が授業に集中できない要因の一つになっても居る。



 確かに元々頭がよくないのは認めるけれど、絶対にこのせいで理解力が低下しているはずだ。


「先生、俺は夏菜子が好きだから、手を繋ぎながらだっていいじゃないですか」

「いや、よくないだろ。あまり酷いと席替えをするよう担任に行っておくから」



 そう言われて、しぶしぶと手を離す藍。

 そんな環境も普通になって来ていた。



 まずはお友達から、なんて言ってしまったけれど、一途で強引さが強く、友達としても仲良くできているのか分からない。

要するに藍に対してちょっと引いている状態がまだ続いている。


 困ったなぁ、と考え込んでいた時。





「夏菜子?」





 小さな声で藍が声を掛けてきた。


「あんまり勉強得意じゃないんだね」

「悪かったわね、これでも頑張ってるんだから」


 ちょっとちょっと、と藍は夏菜子に近くに顔を寄せるように催促する。

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