エリート御曹司は“運命の番”に理性が効かない。
◇覚悟


 あれから私は覚悟も何もできないまま、数日経ってしまった。
 その間、お屋敷に籠っているわけにはいけないので私は仕事に行った。あの倒れて以来、出勤していなかったのもあるのだけど……


「いらっしゃいませ、何をお探しですか?」

「あ、あの……初めてメイクをしようと、思っていて…何を買ったらいいのかわからなくて」

「かしこまりました。学生さんですか?」

「はい、高校生です。メイク道具を買うためにバイトしてお金ためたんですけどあんまり高めのものは買えなくて……」

「そうなんですね、校則とかは大丈夫ですか?」

「校則は緩いので、派手すぎなきゃ大丈夫です」


 聞き出すことは聞き出せた。だから、次は席に案内して実際にメイクをする。メイクをして、どうやって使うのかを理解してどんな感じになるのか見てもらうのが目的だ。

< 26 / 48 >

この作品をシェア

pagetop