先生、私たち付き合いませんか?

好きですよ




そして後日。




理科の長瀬理玖先生とは連絡が取れず、行方不明という扱いになった……と言っても、各々が色々な事を予想している。





『教師同士でトラブルがあり、まだ若い長瀬先生が学校を追い出されたのではないか』




そんな教師の闇を暴こうとしている人。




『好きな人がご令嬢で、駆け落ちしたのではないか』




その意見に「え〜、嫌だ〜」などと笑いながら言う人。




駆け落ちなんて……どこの漫画だよー!ってツッコミたくな……る……




「って、暗いな〜。もっと笑ってくださ……笑ってよ〜」




「お前、バカにしてるだろ」




テンションが低い人が1人。




転校生として入ってきた、今の名前は海瀬遥斗(うみせはると)となった先生。




先生は気づかれたくないのか、ザ・モブ!って感じの髪型やメガネをして転校してきた。




元の姿だと、今頃せんせ……海瀬くんの机の周りは女子だらけだっただろう。




私としては変装してきてくれて好都合。




「海瀬く……いや、遥斗の事独り占めみたいで嬉しい」




それにクラスも4分の1の確率に勝ち、席も隣!




「お前なぁ………俺がこの姿になってから態度変わりすぎだろ……」




「お前?私には、明日香って名前がちゃんとあるんですけど」




「うっ……葉澄……」




「明日香」




「あ……明日香」




「うん!なあに?」




遥斗に名前で呼ばれて自然と顔がニヤける。




「お前……何が良くて俺を……好きになったんだよ……」




最後の方声がちっちゃかった……もしかして先生……




「照れ屋!ウブ!」




目を輝かせて言う。




「ばっ……か違う!」




「へぇ?隠さなくてもいいんだよ?私遥斗の秘密知ってるし……ね」




何も言い返すことができない様子。




「………先生」




「………何だ」




耳に小さな声で呟く。




「好きですよ」




すると、先生はそっぽを向く。




「………あっそ」




真っ赤になっている耳は、隠せていなかった。







―――センセイ、他の子を好きになるなんて、ダメですよ?
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
表紙を見る
君を手に取る1秒前

総文字数/7,819

恋愛(純愛)12ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop