「一緒に虹を、見てみたい」






 まもなく昼休みになると、四人でお弁当を食べる。

 嶋原君は自分でお弁当を作っているらしく、その色とりどりのおかずは美味しそう。

「ん? 恵口?」

 しかし、私がじっと見ていることに気が付いたのか、嶋原君は不思議そうに首を傾げる。

「いや……美味しそうだなと思って」

「何かいる?」

「えっ」

 何がいい? と聞かれ、どうしようかと思っていると、嶋原君は卵焼きを一つ私のお弁当箱に入れてきた。

「卵焼きは、結構自信あるんだ」

「いいの?」

「口に合えばいいけど」

 口に入れると、ふんわり甘みが広がて、卵もふわふわ。





< 131 / 275 >

この作品をシェア

pagetop