いつどこで誰が何をした
11月2日

翌日

昨日の『8』からのメッセージで指定されたのは『どこで』だった。
もし『誰が』だったら『誰かが』を試してみようと思ってたけど…
ちなみに『どこかで』は無効だった。


…なんだろう。
だんだんゲームの運営が雑になってきている気がする。

まあ最初からこのゲームは無理矢理感が否めなかった…。
だがそれでもだ。それでもルールがめちゃくちゃだ。
そもそも犯人はなんで『いつどこで誰が何をした』を選んだんだろう。
それがわからない。

なぜこんなにやりづらいものにしたのか。
このスタイルでなければならない理由でもあるのか?

結局目的はなんなのか。



律儀に日曜日まで制服を着てドアを開けると、どんより曇った空が広がっていた。
低気圧で頭が痛い。
耳鳴りがする。
小さくため息をつき、いつもの道を行く。


「ひかる!」

「祐樹」

久々に祐樹と朝から合流した。
彼はもうちゃんと敬服を着ていない。
まあ誰も咎めないからね。
制服のズボンに黒のパーカーを着ている

「おはよ」
「おはよう」
「眠れた?」
「あんまり」
「だよね」
苦笑いをしてふぅと息を吐く祐樹。


「昨日…柿田達は無事だったのかな」
「…いや、佐滝と浜崎が死んだみたいだよ」
「……」
不意に祐樹の歩度が落ちた。
喜怒哀楽のわかりづらい表情で俯いている。

「祐樹?」
「…そうか…優…」
ああ…佐滝と仲良かったよね。
「大丈夫?」


ふと、祐樹は光のない目で前を見る。
何かを見ているわけではなく、ただ遠くを見つめる。

「……クラスメイトが死ぬことに…慣れてきてる自分が怖いや」
「……」
「前にひかるにクラスメイトの死に慣れるなって言ったけどさ…思えば、無理な話だよね」

……

「誰も死なない日が珍しいなんて…俺たちイカれてるね」
「……そうだね」

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