いつどこで誰が何をした
エピローグ




「もう大丈夫なの?」
「だから大丈夫だってば。もう何十回も言ってるでしょ母さん」
「…でも」
「もう一年も経つんだよ。いい加減切り替えなきゃ」
「…そうね…。いってらっしゃい。無理はダメよ」
「わかってるよ。いってきます」



空…あお。

見上げた空は雲一つなく、まるで絵の具で塗りつぶしたような真っ青な空。

もう11月。
今年もあと少し。


踏みつけるとパシと音を立てる枯葉の絨毯も、だいぶ風で飛ばされて殺風景な冬の入り口が見える。
そうは言っても季節の変わり目はほとんど感じられず急に寒くなった。ほんの一週間前はまだ薄着で十分だったのに。
これが地球温暖化か。

ほんと、どうでもいいようなことを考えながら慣れない通学路を行く。
いくら冬の入り口が見えるとは言え、まだ道端に転がるどんぐりや色鮮やかな落ち葉を見ると、日本の美しい四季を感じる。


枯れ木の間から見える白い校舎。

僕は極々普通の高校生。
どこにでもいる、普通の高校生。
本当に普通の高校生。


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