色彩わるつ。
最終章 『きみと、歩こう』





~矢田部桜介~

 じりじり蝉の鳴く日が続く、八月、夏休み。

 午前中のみの補習を終え、俺はいつものように直帰する日が続いていた。

 そして、今日も一人帰ろうと教室を出ると、前方に小柄な子達の背中を見つけて、その輪に入る。

「キホちゃん、優里亜ちゃん」

「桜介」

「二人とも今から帰んの? 俺と遊ぼうよ」





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