ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


どんな形であってもレイラの命を救うと決めている。だが、相手にされていないことがこんなにも口惜しい。


「もしかして、他の男になら……」


ルーカスがレイラの輪郭を指でなぞり、婉然たる形をした唇に親指を押し当てる。


「頼ったり、甘えたりするのか?」


湧きあがる重苦しい感情に侵されて、この唇に彼女の許可なく唇を重ねてしまいたくなる。レイラの前でこんな醜い嫉妬が喉を通ろうとするたびに飲み込むと、酷く喉が痛んだ。


「君が恋しいんだ。お願いだから……俺だけを頼ってくれ」


ルーカスの熱く痛む喉を通った願いがレイラに届くことはなく、彼女は深い夢の中だった。


「君を誰にも渡したくない。婚約破棄なんて、絶対にありえないんだ」


ルーカスは毎日、レイラの手を握ってベッドに突っ伏して十分に休息できない態勢で眠った。噴水に落ちた日からルーカスの喉は嫉妬に痛むばかりだった。
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