ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

不躾極まりない質問であるが、王太子をとがめる者はいない。


(そ、それは)


世間話をすっ飛ばして一番聞いて欲しくない質問を的確に抉ってきたウィリアムに、レイラは激しい動悸がする。


(何と答えれば……)


胸を飛び出しそうなほどに心臓が内側を叩いて、目も霞んできて、うまく頭が回らない。口なんて鉄の塊のように重くて動く気配すらない。


「ルーカスが毎夜通っても全く相手にされてなくてディナーも一緒してもらえなくて、婚約破棄不可避なんでしょ?違った?僕、外交回ってたから情報疎くてごめんね」


留守にしていたくせにウィリアムは城内の噂に詳しかった。留守をしていても国内の情報に気を配っているのだ。弟の情報もその一つである。


(婚約破棄、不可避……そんなのわかってますわ。でも今だけはルーカス様の隣をがんばっていたくて……)
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