ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


真顔であっても、レイラがズーンと落ち込んだ空気を背負っているのをアイザックは読むことができる。落ち込むのは悪いことではない。しばらく自分に浸ってからの方が立ち直りも早くなる。


しかし、落ち込み過ぎないように情報共有も必要だ。そういう立ち回りがアイザックは上手い。

アイザックがベッドで寝転んだままのレイラを覗き込む。


「レイラ様、しばらくルーカス様がお忙しくなると聞いてます」

「ウィリアムお兄様が帰ってくると忙しいのよ。ルーカス、ルーカスって」


ベルもベッドの端に座って、わざとらしく肩を竦める。


「とまあ、そういうことらしいです。意外と仲が良いんですかね?」

「良くないわよ。ウィリアムお兄様は、ルーカスお兄様『で』遊びたいだけ。ウィリアムお兄様って私にはすっごく厳しいのよ?『ベル、ご挨拶は?』『ベル、ご挨拶は?』ってそればっかり!」

「妹に厳しくする意味は俺にはわからないですけどね」

「でしょう?!」

(ルーカス様……お会いできないのですね)


レイラは喋り過ぎ後遺症で2週間寝込んだあと、やっと普段の生活に復帰した。


寝込んでいる間、ルーカスの顔を見ることは一度もなく、夜の護衛としてアイザックがずっといてくれた。


(ルーカス様、パーティの後から一切いらっしゃらないわ。

やはりルーカス様は、私のパーティでの不甲斐ない態度に幻滅されたのね……)


パーティを終えてから一度も顔を見せないルーカスに対して、レイラはどんどん負の思い込みを溜めていった。
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