ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

レイラの向こう側に座っていたベルがウィリアムの存在に気づいて立ち上がった。図書館の中なので音量を落として、兄に指摘する。


「ウィリアムお兄様、失礼ですわよ」

「やあ、ベル。ご挨拶は?」


ウィリアムはスッと目を細めて、最初に挨拶しないベルをとがめる。ベルはぐぬぬと唇を噛んでから、長兄に丁寧に頭を下げる。


(あ、私も失念してましたわ!)


レイラも気持ち的には慌てていたが、優雅に立ち上がって完璧なお辞儀をする。


ウィリアムは挨拶に厳しい。正妃が嫁いで来たときには礼の仕方がなってないと夜が明けるまでやり直させたという噂もある。


「二人共、お辞儀は完璧になったよね。レイラ嬢もルーカスと婚約したころより格段に美しくなった。そこは努力したんだろうね」


二人の礼に満足したウィリアムはうん、と一つ頷いてまた日記をパラパラめくる。まだ読むのかとベルが眉を顰めて指さした。


「お兄様、おやめください」

「ベル、僕はレイラ嬢と話があるんだ。退室しなさい」

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