ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

「ベル、黙っていてはわからない。レイラに言うべきことがあるだろう」


ベルは兄の厳しい視線と大好きなレイラからの眩しい視線に、泣きたいやら嬉しいやらを混ぜた気持ちで黙っている。追いつめられたベルは両手でスカートの裾を掴んで大きな声を出した。


「お兄様が悪いんですわ!」

「またそれか。何を言っているんだ。悪いのはどう考えてもお前だろ。正式なルートを通さずに直接手紙を届けて。しかもなんだあの文面は」

「乙女の手紙を見るなんてお兄様、最低!」

「最低はお前だ。レイラがどんなに気に病んだと思っている」

(そんなに病んでいませんでしたが)


ルーカスは厳めしい顔を崩さぬまま切り捨てる。ベルは真っ赤な顔でルーカスを見上げて大きな瞳を潤ませた。


「お兄様のせいですの!お兄様が!お兄様が!」

「俺が何をした」

「いつまでたっても私をお姉様にご紹介してくださらないから!」

(お姉様?)

「お姉様とは誰だ?」

< 84 / 268 >

この作品をシェア

pagetop