緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長

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 ヴェルナーさんの妹であるフィーネちゃんが、私のお店で働きたいと言ってくれた。
 だけどまだ七歳の、しかも貴族令嬢のフィーネちゃんを雇うことなんて出来るわけがなく、ヴェルナーさんに止めて貰おうと思ったのに、彼はまさかの賛成派だった。

「で、でも、貴族のご令嬢を働かせるわけにはいきませんし、何よりご両親が反対されるのでは?」

 いくら家訓がアレだとしても、やっぱりこんな小さい子を働かせるのはちょっと……。倫理的に問題があるんじゃないかな、と思う。

「じゃあ、両親が賛成したらフィーネを雇って貰えるのかな? 俺としてはアンちゃんの邪魔になるんじゃないかって、そっちの方が心配なんだけど」

「お、お兄様!! わたくしアンさんのお役に立つよう頑張りますわ!! 決してご迷惑にならないようにいたします!!」

 ヴェルナーさんは私の仕事に支障が出るようなら反対、というスタンスのようだ。

(フィーネちゃんは確かに見た目は幼いけれど、花の名前を覚えるのも早いし、仕事を教えたらすぐ即戦力になってくれそうだよね……)

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