緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長

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「わぁ! これ、マイグレックヒェンですよね?! 色が紫じゃないなんてビックリです!」

「白いマイグレックヒェンなんて初めて見る! すっごく可愛い!」

 会場の装花を手伝ってくれているエマさんとヒルデさんが、マイグレックヒェンを見て感動している。
 多種多様な花を扱っている『プフランツェ』でも白いマイグレックヒェンは扱ったことはないだろうから、当然なのだろうけれど。

「でもマイグレックヒェンって毒がありませんでした?」

「私も鉢植えでしか見たことがありませんね」

「あ、この白いマイグレックヒェンには毒がないので大丈夫です!」

 私はエマさんとヒルデさんを安心させるように言った。

「毒がない白いマイグレックヒェンなんて……希少種じゃないんですか?」

「えっと、王女殿下とヘル……ローエンシュタイン卿のお気に入りの花なんです。だから婚約式に使ってみたいなぁって……」

「ああ、今回のために特別に取り寄せたんですね」

「市場に出回らない花みたいだし、王家の伝手でも使ったのでしょうね」

「……そう、なのかな……?」

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