緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
06
初めて育てたマイグレックヒェンが満開になったのが嬉しかった私は、鉢から切り取って花瓶に入れ、店に飾ることにした。
もちろん切り取った後の鉢は来年も花をつけるようにお世話している。
そしてジルさんにアルペンファイルヒェンの鉢植えをおすすめした日からしばらく、久しぶりにヴェルナーさんがお店にやって来た。
「やっほー! アンちゃん元気だった?」
ジルさんと違い軽い調子でやって来たヴェルナーさんは、店の中をキョロキョロと見渡している。
「いらっしゃいませ。そんなに見渡すほど広いお店じゃありませんよ。何かお探しですか?」
「いや、もしかして団長が来ているのかな、と思って」
ヴェルナーさんが言う団長とは言わずもがな、騎士団長のことだろう。
街の人が噂している騎士団長は超強いらしいので、さぞや屈強な大男なのだろうな、と想像する。
「そんな大層なご身分の方がこんな小さい店に来るわけ無いと思いますよ? もし行かれるなら、王宮の近くにある『プフランツェ』じゃないですか?」
もちろん切り取った後の鉢は来年も花をつけるようにお世話している。
そしてジルさんにアルペンファイルヒェンの鉢植えをおすすめした日からしばらく、久しぶりにヴェルナーさんがお店にやって来た。
「やっほー! アンちゃん元気だった?」
ジルさんと違い軽い調子でやって来たヴェルナーさんは、店の中をキョロキョロと見渡している。
「いらっしゃいませ。そんなに見渡すほど広いお店じゃありませんよ。何かお探しですか?」
「いや、もしかして団長が来ているのかな、と思って」
ヴェルナーさんが言う団長とは言わずもがな、騎士団長のことだろう。
街の人が噂している騎士団長は超強いらしいので、さぞや屈強な大男なのだろうな、と想像する。
「そんな大層なご身分の方がこんな小さい店に来るわけ無いと思いますよ? もし行かれるなら、王宮の近くにある『プフランツェ』じゃないですか?」